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Twitterで見かけた高評価のなかで、えーと、なんだったかな、「登場人物が全員ジェシー・アイゼンバーグの、会議版マッドマックス」だったかな?笑 今でもちょっと意味がわからないけど、なんとなくつたわるものはあります。私が見た範囲では結構絶賛されてたのですが、見終わったあとは、確かに、なんも悪いとこ無かった! けどこれを世間が絶賛するんだ?とか思いもしつつ、でもやっぱ面白かったと思います。実はすでに2回観た。邦画としては図抜けてると思う。
 隣の席の人的にはあんまり? だったみたい。「面白かったけど、レビューで(5点満点中)4がつくほどかなあ」「最初すでに眠かったって時点でなあ…」 あー、それもわかる。一回集中切らしたら、もう戻ってこれないよねって思う。庵野監督のテンポを知ってるかどうかにもよるかも。ゴジラを観に来たか、庵野監督作品を観に来たかっていう。そこへいくと私は青春をエヴァと共に過ごした世代ですから、毎日、毎日ですよ。エヴァを観てました。繰り返し繰り返し。あのテンポのいいカッチョイイ展開の数々を浴びるように。だからこれも、毎日観たい衝動に駆られるな(笑)。観るっていうか、浴びたい。庵野さんの演出を。

 以下ネタバレ

































 「この映画は円谷英二が生まれなかった世界で、怪獣という言葉が存在しない」という、エキストラに説明されたという世界設定は、まあそりゃそうだ、当たり前なんだけど、言葉にするとかっこいい。円谷英二が生まれなかった世界。

 映画館で予告をイヤと言うほど観たので、逃げ惑う人たちに揉まれる手ぶれ映像、の予告とかもううんざりだったんですけど、ゴジラの尻尾が、民家の頭上スレスレを、すい―――――っっ…と、ただ通過するだけの予告、あれはすごく好きだった。怖さというか距離感がよく伝わってくる。

 お役所仕事なとこも勿論沢山描かれるんだけど、絶望も大きいんだけど、でも希望の物語で、リアルな日本を描きつつも、人々が大変前向きで勤勉だった。首相がどっちもいい人そうで、それだけでも話が早いよな。

 とにかく最初の緊張感。その緊迫感のまま最後までいくんです。日本にいい俳優さんいいっぱいいるなー!! って思いました。椅子に座って会議してるだけでこんなに、こんなに「映画」になるんだもの。(もちろん庵野監督の演出手腕、こまかなテンポやカット割りありきだけど)
 オタクぽい研究者の高橋一生さん、幕僚長の國村隼さん! 國村さんの「礼はいりません。仕事ですから(微笑)」惚れてまうやろ…。進撃実写で名前も思い出せん小物のおっさんやってたとは思えんわ。柄本明はなんか、心労がたたって途中で死んだりするのかと思った…。
 石原さとみはこの映画のアニメっぽさ、娯楽っぽさを一身に背負っていて、異物感ありまくりなのだけど、でも彼女の異物感がなかったら雰囲気がすごく、お堅いというか、華がなさすぎたかなと思う。背広と防災服だけじゃ娯楽作品はやっぱね。

 あと私は「プロフェッショナルが、私には全然理解できない難しい言葉をまくしたてながら問題を解決していく」のを聞いてるのが好き(笑)で、なんていうか…知らない世界ほどいいですね。わかんないほどいい。科学者とか宇宙飛行士ものとか。

 ゴジラが登場してからは、なんでこんなときに誰もエヴァかガンダムを作っておかなかったの?! って思いましたね(笑)。私は子供の頃にもちろんゴジラは観ているけれど、怖いと思ったことはない。当時の特撮を見て、同調圧力に無頓着で共感力にも乏しいく、うわー人の手でこんなものを作れるなんてすごい技術! とかいう感動にも薄い子供には、トクサツの目に見えるチャチさにばかり気を取られて、怖いとか思えなかった。多分、戦後という時代に大人として生きてたら、全く別種の怖さを、感じたのかな? と想像します。放射能、壊滅する都市、避難、破壊…というものにたいして。
 CGもリアルになって、被災と避難生活というのが今の世の中現実的にすぐそばにあって、そこへこの緊迫感とゴジラの造形ですよ。初めて怖いって思えました。
 っていうか最初の這いずる形態の時のゴジラの顔こわすぎません?! 目が絶妙に怖いよなー。開いた口も怖い。ちっちゃい歯が申し訳程度にならんでるやつ。私エヴァで一番すごいと思ったシーンは、「男の戦い」で指揮所のミサトさんの眼前に、壁を突き破ってきた使徒がゆっっくりと巨大な顔を近づけてくシーンなんですけど、使徒って人型をしてるのに表情がないから怖いんだよな。無機質な怖さ。なのに生物っぽい怖さ。生物っぽいのに話が通じなさそうな怖さ。が、あの目に表れとる。

 ゴジラが熱線を放って大破壊を行う、美しくも恐ろしいシーンも圧巻でしたー。美しかったし、怖かった。昔のゴジラをほとんど覚えていないから、新しいのか伝統的なのかはよくわからないけど…。何度でも見たい。

 そしてBGM! 勿論往年の名曲もなんですけど、あのさーエヴァのあの、あのBGM便利すぎますな?!(笑) ていうか前を歩いていた50代くらいのおっちゃんが、「踊る大捜査線の曲がかかるから、ゴジラ観てるんかなんかわからんくなった」って言ってはりました。ち が う ー(笑) でもまあ年代的に、エヴァ見てなくて躍るは見てたんだろうな…。
 エヴァも勿論思い出すけれども、同じくらいパトレイバーを思い出しました。謎の科学者とか、東京を縦断する実況とか、いたるところが! 旧OVA版の『4億5千万年の罠』とか、『廃棄物13号』とか。もちろん往年の特撮を意識して作られてた回ですから、彷彿とさせるのも当然なんですが! 特撮で育ってきた、ってわけではない私が思い出すのは、むしろこっちのほうだったという。

 「場所がニューヨークでも、彼ら(アメリカ)は同じ判断をする」、というのは、あーそうだなあそこがアメリカのぶれないところだなあと思った…。やるよねアメリカは。

 ラストもね、あれっあっさりだなって思うんですけど、終わってみるとあれめっっちゃいいと思ったんですよ。あそこで抱き合って喝采をあげて明るい華やかな音楽が鳴り響いて紙吹雪が舞う、のは、ハリウッドだよねー、という皮肉というか、ここは日本で、これは日本の映画だぜ!! というパンチな気がして胸がすく思いでした。あっさりすぎてまだゴジラ動き出すんじゃないかと思わせるんだけど、ピクリとも動かないのもいい。あれ動かしたら台無しやからな!!

 「シン・ゴジラ面白くなかったって言うやつなんなの? ばかなの?」みたいなぐらい絶賛派の意見が強いのですが、でもこれ、楽しめなかったパターンも、なんとなくわかるんですよ。なので楽しめてよかったなあ、って感じです。もっかい観たいけどキリがないのでやめとく…。
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