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『アルスラーン戦記』が完結するとな。さすがの田中芳樹も、…いやまあ、未完のまま世を去る作家も多くいる。ちゃんと残り時間を計算してくれててよかった。これであと残るは『創竜伝』かー。これ難しいよな正直。リアルタイムの日本を扱ってたから、物語開始当初と、世界が、日本があまりにも変わったよな。
 しかしもはやアル戦の結末にさほど執着がないどころか、青春の1ページでもあったから、永遠に終わらず存在し続けてくれてももういいやって思ってたとこもあり複雑…。と思いつつ未読の5冊をポチっとな。

 荒川弘版コミックス新刊は相変わらず最高でした。ダリューンの窮地に狼狽するアルスラーンの後ろに、ちゃ―――んとナルサスをちゃーんと描いておいてくれてる。ジャスワント勧誘の、アルスラーンの人たらしっぷりも完璧でござる。原作よりも、二人の共通点「自分が何者かわからない」を際だたせてあり、ジャスワント加入を自然にしている。すごし。少しずつ挿入されるオリジナル要素もすごくいい。そしてルシタニア勢を描きたいって意味のコメントがありましたが、これもすごく嬉しい。敵サイドに愛着を持ってる作家さんが描くなら、絶対に丁寧で深みがでると思う…。魅力的な敵、というのは名作の絶対条件だろ!

 そして未読の既刊5冊が届いたので、観念して、続きを読み始めました。最初は今更たいして興味もないな…とか思ってたけど、読み始めたらやっぱおもしれー。『アルスラーン戦記』だっつうのに、アルスラーンが登場するのが5章中1章しかなかったり(笑)。さすが。ギスカールとヒルメスにはなんか頑張って欲しいな。どっちも苦労したんだから、ちょっと報われてほしい。あとクバード×メルレインは昔から割と一押し。角川カセット文庫で、メルレインの声優中原茂さんなんすよー私の初恋の声優さんですから! すき!
 ヒルメスがかわいいと感じられるようになるとは、私も年とったな…。でも余裕もでてきて、頑張ってもいるし、応援したくなる。
 年とったといえば、キャラの死が昔より堪えるようになった。…年もだけど。銀英伝は、一気に読んだから、そういうかんじはなかったんだけど。リアル中二病のころから好きだった世界の、もう何十年付き合ってきた人が、死ぬのは堪える…。田中芳樹のえぐいとこは、何十年もアルスラーンの十六翼将という言葉を使ってきておいて、まさかそれがこんなに短い間の存在だとは、というところ…。読者にむかって罠をしかけてきよる。自分の遅筆を逆手にとる(笑)。
 そして、アルスラーン当人は、頼りがいがでたかといえばそんな様子はなく、ただ、人を通り越して仏か神のようになりつつある。

 以下既刊『戦旗不倒』までネタバレ






















 中盤を過ぎた田中芳樹作品てのは、乱立した死亡フラグの中で誰が死ぬのかを探るミステリのよう。けど、医療の発達した銀英伝と違って、中世ペルシアでは、病や怪我でもぽろっと死ぬんだよな…。エステルの件はだいぶ昔にネタバレ聞いてたのですが、そっかあ、そんなかあ…って思いました。でもほんと再会したせいでアルスラーンの心から離れなくなっちゃったって面はほんとあるよな。
 アルフリードの件は、ナルサス×アルフリードの長い同人誌をシリーズでずっと読んでたので、でも結ばれるとは思えなかったんですよずっと。でも、あんたの頭を守ってるんじゃない、の台詞はしびれたなあ…。あれにはナルサスもしびれるよね。
 ヒルメスが彼を斬った後の心情って、そのまま田中芳樹の心情で、読者の心情だったんだろうね。あの人が描く世界絵図が、本当に華やかで色彩溢れていて、でも大丈夫だよヒルメスたん、多分あの人なんか仕掛けてるよ。信じようヒルメスたん…。
 にしてもしっちゃかめっちゃかなパルスの状況、あと一巻でほんとに終わるんですか…。

 はあ、既刊全部読み終わると、読まなければ、彼は彼女は、私の中で生きたままだったはずなのになあ、と軽く後悔すらしています。戦旗不倒、というタイトルの意味に気づいたとき、あ、この人の死は避けられないなと思って、でもこの人にしてはあっさりだったのは、その死後になにか布石をしているんだな? とは期待してる。
 最終巻読まなければ、私の中で『アルスラーン戦記』は終わらずにすむけど、ネタバレを目にしないで生きてくのは難しい時代だから、発売日に買って読みます。あー、やっぱ何十年来の知人が死ぬのつらい…めっちゃ堪えた…今読んでよかった。15巻の発売日に読んでたら、その状態のまま一年半やったもんな…。こんなに堪えるとは思ってなかった。でも考えてみりゃこのお話の中で、彼が一番好きだったんだあ。彼の死に際し、彼の親友も、彼の主君も、彼の愛弟子も傍にいなかったこと、誰にも最後の言葉を伝えてないところが、つらいんだ。でもそれは、絶対最終巻で回収されると思ってる。彼を殺したのがあの人だったのならもう文句はないし。避けようのない死だったと思うから。
 …え、やばい泣けてきたぞ(笑)。うう。最高のコンディションで最終巻を迎えられそうです。くっそー。
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